プラ容器アレコレ

食品容器とエコロジー

2010年2月13日
プラ容器アレコレ

全地球的にエコが叫ばれています。では食品容器業界においてはどの様な方法でエコロジーに貢献できるしょうか。

そもそも食品容器自体は食べられるのもではありません。食品を生産されていらっしゃる方々の大切な商品を入れて運搬・陳列・販売され、最終的に消費者様の食卓に並ぶまでの仮の住まいの様なものであります。ですからそれらの機能が完全であれば○○を入れる容器は△△でなければならないといった決まりは特にありません。

これらの事を前提として考えると食品容器業界として出来る事は主に以下の5項目でしょうか。

1.軽量化・薄肉化・小型化

2.リサイクルの簡易化

3.簡易包装化

4.再利用化

5.詰め替え可能化

ここで容器の素材別に上の対策を検証してみると

プラスチック容器:

プラスチック容器は軽量化・薄肉化が最も効果が高く、実行されている割合も高い様です。もともとプラ容器は内容物を豪華に見せる側面も持っていた為、あえて重く作ったり、大きめに作って内容物を多く見せるという容器もあったりします。また、プラ容器が普及した時期がペットボトルに次いで新しく技術革新による恩恵(薄肉化)がより大きい為と思われます。ただ一定以上の薄肉化は強度上の問題が発生するので今後はリユース化などの対策が必要なのではないでしょうか。

ペットボトル:

いろいろな容器の中で最も新しく、そのシェアを伸ばしているのがペットボトルです。コンビニ等でペットボトルの回収ボックスを見る事も多いと思いますが実際に日本ではペットボトルの回収率は60%以上を誇っており世界一です。しかし残念な事に再びペットボトルとして再生され還流するのは回収されたうちの3割程度に過ぎません。残りは衣服(フリース等)になるものもありますが、ほとんどは焼却処分されています。そのため、最近ではポカリスエットの新ボトルなどの様に極めて薄い容器の開発が盛んになっています。ただ、アメリカでは回収されたペットボトルの8割がリサイクルされていたりもするので何か新しい仕組みを作ればもっとエコロジカルな容器になるのではないでしょうか。

ガラス瓶:

ガラス瓶はそれ単体のリサイクルに関していうと非常に優秀なエコロジー容器といえます。たとえ不燃ごみとして出してもリサイクル工場に運ばれて再度ガラス瓶として生まれかわり社会の中で循環しています。ただ非常に重いのとガラス瓶の形状が重ね合わせに向かない為、1箱あたりの入り数も限られる為、運搬時のCO2排出量が多くなりがちです。また、同じリサイクルといってもかつてはリターナル瓶(使用後に洗浄されそのまま同じビンとして再利用されるものex一升瓶・ビール瓶)が主流でしたが、現在ではワンウエイ瓶(使用後に粉砕され再度ビンとして使用されるもの)の比率が増えてしまっている様です。

紙容器:

紙容器はその物性から、他の容器の様に簡単には薄肉化・軽量化は困難です。よって主にリサイクルの簡易化がすすめられています。具体的には容器にミシン目を入れて折りたたみやすくしたり、剥がしやすいラベルの開発などが行われています。現在、牛乳パックなどを中心として20%程度がリサイクルされていますが、紙のリサイクルはカスケードリサイクル(滝のリサイクルという意味の様です)とよばれ、最も品質の高い食品パックから再生紙→雑誌用紙→卵パックの様に同じ製品としてではなく、より低品質の製品として再利用されているのが実態です。

以上に述べてきた様に全てにエコな容器というのは現時点では存在しません。大切な事はどんな容器を使っても大なり小なり環境に負荷を与えているんだという意識をもって日々活動していくしかないんだと思います。色付きの容器より、透明・ナチュラル色。同じ強度ならより薄い容器。同じ色で同じ厚さの容器ならよりリサイクルしやすい形状・材質・・・・