プラ容器アレコレ

PETボトルの話

2010年2月16日
プラ容器アレコレ

私(アラフォー世代W)が子供の頃にはコーラと言えばガラス瓶入りでした。そう、あの魅力的な曲線のガラス瓶です。それがいつの頃からかペットボトル入りが主流になってビン入りのコーラはあんまり見かけなくなりました。いつ頃の事なのか少し調べてみたらアメリカのデュポン社がペットボトルの特許を取得したのが1973年。日本では醤油の容器として1977年に初めて使用され、1983年にコカコーラ社が全国展開を開始。ちなみに現在では当たり前になっている500ml以下の小型サイズが解禁されたのが1996年ですって。ペットボトルの歴史はそれ程古くないんですね。
さて、その遅れて来た大型新人PETボトルですが、使い勝手の良さとファッショナブルさが受けて、また、いろいろな試行錯誤と工夫を重ねてシェアを伸ばしていきます。
例えば、皆さんは覚えていますか?最初の頃のペットボトルは一番下の部分に黒い(白もあったかな)台座が付いていたのを。いつの間にか無くなっていますよね。
あとPETボトルは熱に極端に弱いのです。普通のPET樹脂の耐熱温度は50℃くらいしかなくホットのお茶なんかを入れるのはもってのほかでした。1999年にサンガリアが「あったかいお茶」で商品化に成功しました。これも意外に最近の話ですよね。
2004年にアサヒビールがペット入りのビールを発売する予定でしたが、環境保護団体グリンピースジャパンからクレームが入り発売できなかったそうです。
2006年に規制緩和で牛乳もペットボトルで販売できる様になりましたが現在のところまだ製品化はされていない様です。
2009年にはなんとペットボトル入りボジュレーヌーボーは発売されました。
こうしてみてみると3歩進んで1歩下がるといった感じですが、確実にペットボトルの守備範囲とシェアは拡がっていきそうですね。
最後に環境的側面から見ると現時点では必ずしも優等生とはいえません。
容器のリサイクルには主に
リユース:そのままの形で再利用する事。もともと長期使用を前提としていないので×
ケミカルリサイクル:化学的に分解して再度PETにする。1%程度しか実施されていない×
マテリアルリサイクル:粉砕しシート原料や繊維原料に。20%程度実施△
サーマルリサイクル:回収したPETボトルを燃やして熱源にする。効果は△~○?
という事でまだまだ解決すべき問題は多いみたいですが、数々の困難を乗り越えてきた開発者の方たちならきっと素晴らしい解決策を考えてくれるはず。それまでは我々消費者が頑張ってエコしましょうね。